わたし

アマチュアブロガー 模索中

小品第2番1楽章

今晩は私の恋人に対する思いと、家族、人生観の話です。

 

3時45分、夜の街中でのバイトが終わり帰宅したところです。家に帰る前に夜の青島の海岸を歩いてきましたが、どうしようもなく物哀しく、泣きそうになりながら街の端を歩いていたのです。

今日は疲れてしまったなとタバコを吸いながら海岸へ向かう道、とても星が綺麗でした。南の空がとても綺麗だったのです。私のポケットからはハンバートハンバートの“海岸の街まで”がささやかに聴こえていました。

 

いつのまにか日が暮れて
もう足元さえ闇につつまれて
僕はこれ以上歩けない

まるで棒きれのような足を引きずって
一日中歩き続けて
これ以上歩けない

もしも翼があったなら
今すぐ君のところへ
ああ...

ふと見ると向こうの山、あかく燃えている
気づけば朝日で僕もあかく染まっていた

 

夜勤のバイトも夜の飲食店のバイトも気の向く仕事ではなく、疲れ果てて終わると寝るそんな毎日ですが、彼が、私にとって唯一の友であり恋人である彼が私の毎日に光を与えてくれます。

おとといのデートでは植木市に行き、盆栽を買う姿を見て、ご飯を食べ、お酒を飲み、お風呂に入るそんな1日を過ごしました。たわいもない会話と、悪い冗談を言う彼と、少し真面目な話。

 

 

一昨年の11月に祖父が亡くなり、人生で初めて葬式に参加しましたが、疎遠であったとはいえ涙が一粒も溢れませんでした。地元では一番の実力者で、それは大きな葬式となったのですが、どうしても茶番にしか見えなかったのです。お通夜を終え、火葬場へ移動を始めるときにおじさんが泣きました。仲の悪い家族であったことは知っていましたが、おじさんにとっては唯一の父であることは変わりありません。彼は大きく泣きました。それでも私は、もしかしたら祖父は死ねて幸せだったのではないか、努力をした結果の家族の形だと思うときっと悲しい人生だったのではないだろうかと。糖尿病を患い、合併症により最期は面影もなく、でも、たくさんのお金と、看護婦、介護士の子供達により生きながらえていた祖父のことをはたから見て、もしかしたら死にたくても死にきれずにいたのではないだろうかと考えていました。泣いていたおじさんは葬式後に祖母に向かって「俺は自衛隊になんて入りたくなかった、あなたたちがそうしろと言うので従った」と悪態をついていたのです。

 

私も家族を許していません。私だって悪かったけれど、どうしても、もう2度と会いたくないのです。

去年の11月に私は家族を捨て、独り誰も頼らず青島へ飛び出しました。家族はバラバラでめちゃくちゃで、1番上である姉が生まれて24年、父と母が結婚をしてから随分と経っていますが、私は、私の人生19年で家族が1つであった姿は見たことがないと思います。血の繋がりは決して消えはしないと言いますが、血の繋がりだけで成り立っている家族は家族と呼べるのでしょうか。当時、自覚はなかったものの育児放棄を受け、初めから狂っていた歯車が少しずつ抜け落ち、そうして私は家族を捨てる決心をしました。きっとそれが母と父の教育方針であったとしても私は、彼らをそして家族を認めるつもりはありません。

 

祖父もきっと長い人生で、家族とは、と分からなくなっていたのではと私は一方的に考えています。

盛大な葬式に参加する誰もが祖父のことを見ていなかったと感じていました。きっと形而的に参加をし、話を聞き、涙を流しているのだろうと感じていました。

 

 

私は普通であるとはいえないので、幸せになりたいけれども何が幸せなのか、どうなれば幸せだと言えるのかは分からずにいます。しかし、恋人に出会って、少しの月日が流れ、出来事が思い出になった今振り返るととても幸せであったと確信しています。嫌な気持ちになることも、疲れてしまうこともあったけれど、思い出を重ねお互いを理解し受け入れ合えている今、どれも大切な記憶です。

 

きっとこの先わかりあえる人に出会うことなく独りで生きて死ぬ、そう思っていた昔の私は死にたくてたまらない毎日を過ごしていました。今までも、彼と出会った後も、介護をするたび、むりをして感覚の違う人たちと街で働くたびに死にたくてたまらない夜を過ごしていました。人は独りなのだからと涙を流すことなく布団の中で耐えては外に出る、そうやって毎日をやり過ごしていました。

 

ハンバートハンバートは別れの歌を歌います。そして同時に愛の歌を唄います。真っ暗な林と海、そして煌めく星を見て死にたくないと思いました。彼との明るい未来、老いていく未来を感じたときにいつまでも側にいて欲しいと願ってしまったのです。どれだけたくさんの時間を一緒に過ごせたとしても、全て思い出になり、終わりが迫り、どちらからか先に死んでしまうというこの世界を憎みました。悲しくて、やりきれなくて、涙が眉間まで押し寄せてきました。こんな事では泣かなかったのにと強がっていたこれまでの自分を思い起こすと、なんて悲しい時間を過ごしてきたんだろうと思います。強がっていたのです。

愛する家族のいる彼が優しく私の心を溶かしてくれています。

 

 

きっと眠たくてたまらないから混乱して、感情が大きく触れているのだと思います。

明日は夜勤です。その前に街へ行き確定申告をしてきます。働いている街の飲食店の鍵を間違えて持って帰ってきてしまいました。早く寝て、明日も1日耐えて、彼に電話をかけてみようと思います。